【PC遠隔操作事件】第2回公判傍聴メモ・最初の検察側証人は「ファイルスラック領域」を強調(江川 紹子) – 個人 – Yahoo!ニュース

【PC遠隔操作事件】第2回公判傍聴メモ・最初の検察側証人は「ファイルスラック領域」を強調(江川 紹子) – 個人 – Yahoo!ニュースを読んでの感想をTwitterにいくつか書いたんだけど、なんか端的に書くと中途半端感が否めないんで、もうちょっとちゃんとまとめておく。

警察側の証言の要旨は、『押収したPCを調査した結果、OSレベルで見えるファイルシステムからは、事件に関連する情報はほとんど得られなかったが、HDDのセクターレベルに残された情報からは、事件に関連すると思われる情報がいくつか見つかった。それらは、そのPC上の暗号化された仮想Fドライブにおいて、問題のウイルスを開発した可能性が高い痕跡だった』と言うもの。

この仮想Fドライブの存在に関しては、片山氏も身に覚えがあるが、そこにウイルスのソースコードが置かれていたことには気がつかなかった、と言っている。そして、それらの情報は自分のPCが犯人によって遠隔操作されてできた、偽の証拠だろうと主張している(のだと思う)。

しかし犯人が、氏を犯人に仕立て上げるために偽の証拠を残そうとしたのだとしたら、どうして『暗号化ドライブ』のような『証拠が残りにくい』場所に証拠を残そうとしたのだろう。

暗号化されているため捜査側がそこから証拠を取り出すことは難しいし、実際警察は暗号化ドライブ自体から証拠を取り出すことはできていないようで、OSやプログラム開発環境が非暗号化ドライブ上でテンポラリ的に使用するファイルの痕跡から、暗号化ドライブ上での作業内容を推測している。わざわざ偽の証拠を残そうとしたにしては、あまりにも証拠が弱すぎる。

もちろん『犯人はわざとそういう遠回しな証拠を残したのだろう』という主張もできなくはない。しかし『自分のPC上で開発した痕跡をできるだけ隠そうとした』と考える方が自然だ。このあたりは犯人の能力をどのくらい大きく評価するか、でどちらの説が有力に思えるかが変わってくるだろう。

あるいは『犯人は、自分のPCでウイルスを開発して自分のPC上に痕跡を残すことを恐れて、すべて他人のPC上でウイルスを開発したのだ』という考え方も、あり得るかもしれない。偽の証拠を残そうとしたのではなく、片山氏のPCが犯人のメイン開発環境であった、という主張だ。

その場合は、できるだけ(普段PCを使用している片山氏にも)痕跡が見つからないように、暗号化ドライブ上で開発を行うことも十分にあり得るだろう。

ただその場合、Visual Studioのような比較的重い開発ツールを使って(しかもVisual Studioのインストール自体も犯人がリモートでやった? この辺片山氏はどう主張しているんだろう)、ウイルス関連の様々なプログラムの開発およびテストを、完全に氏のPCの遠隔操作のみで作る、というなかなか難易度が高い作業を犯人が行ったということになる。

また、Visual Studioを平日午前中に使用した形跡が残っていることを考えると、その日片山氏がそのPCで作業していたかどうかはわからないが、普通に会社が営業しているであろう時間帯にも、犯人は遠隔操作でウイルス開発作業を行っていた、という推測されるため、かなり状況の妥当性に無理が出てくる(それとも片山氏も、Visual Studio自体は(C#以外の言語で)使っていたと主張しているのかな?)。

推測も多いし、どちらにしろ決定的な判断基準となるような証拠はないわけだけど、今までマスコミ報道で出てきた怪しげな証拠と比べると、今回の話はとても真っ当な内容で、警察が片山氏を犯人と考えている理由は納得できた。それが裁判で有罪になるくらいの証拠なのかどうかはわからないし、ましてやコンピュータおよびプログラミングについて深い知識がない人間にどこまで通じるのかわからないけど。

あと、「遠隔操作ではファイルスラックのスペースは自由に残せない」というのは、警察が証拠を見つけ出したのはOSのインストールドライブからだと思われるので、遠隔操作するためのリモート接続プログラムは、OS上のアプリケーションやサービスとして動作している以上、遠隔操作している状況下でOSインストールドライブに対してHDDの低レベルアクセスはできないから、ということだと思われる。

chkdiskみたいなHDDへの低レベルアクセスが必要なプログラムを実行しようとすると、いったんWindowsを終了し、オンメモリで動作するDOS互換な環境で起動し直してから、そこで実行されるよね。あんな感じ。

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