日記
(03:17)Edit

引きこもりの生態とその胸の内を自虐的に描いた小説。ということにしちゃっていいのかな。この本に書かれている「引きこもり」をどこまで一般化して捉えていいのかよくわからない。ここに書かれている引きこもりの心の動きとかを見る限りでは、別によくある自意識過剰というか、若いうちには自意識と他意識との(自分の中での想像上の)ギャップを重視してしまいがちだよねーというか、俺にとっては別にごく当たり前のその年頃の心の動きにしか思えない。

だから、そこから自動的な(ペルソナによる防御ごしの)対外関係の維持ができなくなるほどの結果(引きこもり)が導き出されるってのがよくわからない。というか、まあそういうこともあるだろうけど、その辺は個人の資質の問題にすぎず、社会現象とかに一般化されるような内容ではないよう(寒)、とか思ったりする。周りがそれを許すようになったからこそ、そういう結果にたどり着ける人が増えた、とかそういうことなのかな。なんて結論はろくな対応策を生まない気がするから、あまり考えないでおこう。

ちなみにこの人の文章は、昔をネットで見かけて、そのオタ系自虐ネタが面白かった記憶があるんだけど、この本もその辺の勢いは結構面白い。思わずロリペグ30G集めちゃうくだりとか。全体としてもそれなりに面白かったけど、なんかもう一つ足りない気がした。ポイントポイントで、もうちょっと内省方向に向かった語りを入れてくれるともっと面白かっただろうに、そういうところをドラッグによるトリップに逃げちゃっているあたりが残念。というか、そういうところをドラッグによるトリップに逃げちゃうあたりが引きこもりらしさってやつなんだろうか。

Published At2004-09-01 00:00Updated At2004-09-01 00:00