テニス観戦記
ATPツアーファイナルズ3日目Edit

グループB ツォンガ vs. フィッシュ

この二人はタイプが似ているなー。ビッグサーブを持っていて、ネットプレイでのタッチがいい。ベースラインからのリスキーなビッグショットもある。けど、ツォンガは最近あまりネットに出ないな。最初にブレイクした2008年全豪ではドロップボレーを使いまくっていた印象があるんだけど。

ファーストセットは出だしにちょっとぐだり気味のブレイク合戦をしつつも、後半は競った展開。タイブレイクはツォンガが一気に突き放して7-6(4)で取る。セカンドセットも最初からブレイク合戦。しかしフィッシュはそこから集中力がきれたのかな? ちゃんと見ていないうちに6-1と大きく差をつけられていた。

  • ツォンガ def. フィッシュ 7-6(4) 6-1
フィッシュは微妙なジャッジにフラストレーションをためたのが敗因か。これでフィッシュのラウンドロビン敗退は決定。

グループB ナダル vs. フェデラー

ファーストセットはフェデラーのサービスゲームから。ダブルフォルトスタート。硬くなっているのか。しかしその後は強いフォアハンドでナダルからウィナーを連発。ダブルフォルト以外はとても強い立ち上がり。

一方ナダルのサービスゲーム。ナダルのいつものバックハンド攻め。そしていつものようにバックハンドは押し込まれてしまい、無理に強打するとエラーが出てしまうフェデラー。ナダルがキープ。

フェデラーのサービスゲームは順調。強くて確率のいいサーブで崩しつつ、フォアハンドで簡単にポイントを取っていく。ほとんどショートポイントで終わってしまうので、ナダルが反撃する余地がない。フェデラーの攻撃力がナダルのディフェンスを上回っている状態。

ナダルがフェデラーのフォア側にも配球し、逆襲を食らってポイントを失う。が、その後は強いサーブとバックハンド攻めで盤石。バックハンド攻めオンリーだとパターンに慣れられてしまう恐れがあるから、余裕があるポイントではフォアハンド側も見せておくつもりか。

フェデラーのサービスゲームは安定している。強いサービス+フォアハンドで決めにいくショートポイントが多い。しかし、ナダル相手に無理矢理ネットについてのボレーミスと、バックハンドを強打で切り返そうとしてのミスも出ている。やはりこのパターンは相変わらずナダル相手には不利。

ナダルのサービスゲーム、フェデラーが強いフォアハンドでポイント先行し0-30。さらに回り込みフォアでナダルのバックハンドを厳しく攻撃して0-40。フェデラーもナダルのバックハンドをしつこく攻める。お互いバックハンド攻めを中心。フェデラーはバックハンド高く弾む球を、無理な強打で切り返そうとせず、スライスを使ってでもナダルのバックハンド側につなぐ。ナダルもしつこくフェデラーのバックハンドに返そうとする。バックハンドを我慢しつつフォアハンドで攻めたフェデラーがラブゲームでブレイク。フェデラーの4-2。

フェデラーのサービスゲームはいまだ安定。フォアハンドでの攻撃はさらに厳しいコースを攻めるようになり、フェデラーの5-2。

ナダルのサービスゲーム。フェデラーがナダルのバックハンド中心の攻めを読んで、バックハンドを無理しない範囲でしっかり返し、少しでもチャンスがあればフォアハンドでは強引に攻める。このゲームもフェデラーがポイント先行するが、ようやくナダルのバックハンドの強打が決まり、さらにフェデラーのバックハンドの強打がミスになって、ナダルがキープ。

フェデラーのサービングフォーザセット。フェデラーのサーブ+フォアハンドでの攻撃が厳しい。ナダルの動きもだいぶ良くなってきて、フォアのランニングショットでのカウンターチャンスができるが、フェデラーのフォアハンドの威力が勝り、サイドアウト。最後まで攻めきったフェデラーがファーストセットを6-3で先取。

強いフェデラーに対して、ナダルはレシーブゲームでチャンスがない。ナダルの強みであるバックハンド攻めも今のところ徹底できていない。サービスゲームではバックハンド攻めを徹底しつつ、フェデラーのサービスゲームでも切り返すワンチャンスを見いだす必要がありそう。

セカンドセットはナダルのサービスから。ナダル、バックハンド攻めをと見せかけてのフォア側へのショートクロスのウィナーと、いい攻撃を見せる。一方フェデラーはナダルのバックハンド攻めセカンドサーブを完全に読んで回り込みフォアのリターンからポイント。フェデラーはナダルのバックハンド攻めを苦にしつつも、それなりに対応して逆襲するパターンもものにしている。ナダルの厳しいバックハンドクロスをフェデラーがフォアハンドのランニングショットでのカウンターを決めて、フェデラーがブレイクスタート。

今日のフェデラーは本当に強い。苦しいランニングショットにミスが少ないし、ディフェンスも攻撃もどちらも安定している。ナダル相手にバックハンド攻めをされても、ディフェンスが安定しているというのは、かなりのクオリティ。ランニングショットのクオリティも上がっているのは、フットワークが復活してきたのか。

続いてのフェデラーのサービスゲームは、今まで通り安定してキープ。

続いてのナダルのサーブゲームも苦しい。ナダルがバックハンド攻めをしようと思っても、フェデラーが無理攻めのミスをしてくれず、逆にナダルに対してもバックハンド攻めをやり返し、お互い我慢の展開から先に攻撃に転じるのはフェデラーの方。そしてフォアハンドを使えるようになったフェデラーがポイントを決める。再びフェデラーがブレイクして3-0。

フェデラーのサービスゲーム。サービスエース2本にフォアハンドウィナーであっさり追い込み、ナダルがあまり難しくないフォアハンドをエラーして、あっさりキープ。ナダルは集中力を失っているな。

続いてのナダルのサービスゲームも、ナダルには苦しい展開。セカンドサーブを回り込んで叩かれたり、調子がいいときならばカウンターに取るようなフォアハンド側へのスライスを仕留め損なったり、さらにはバックハンドリターンでもエースを取られてしまう。ブレイクポイントを握られるが、フェデラーがバックハンドでの強引な攻撃をミスして何とか逃れる。フェデラーはバックハンドを無理に攻撃しない方が強いな。ブレイクポイント1つは逃れたものの、その後もフェデラーの攻撃は止まらず、結局このゲームもブレイクしてフェデラーの5-0。

フェデラーのサービングフォーザマッチ。もうフェデラーの普通のストロークに対しても、ナダルがきちんと対応できなくなってきている。完全に集中力が切れている。フェデラーは強いサービスゲームを持続。フェデラーはあっさりキープしてセカンドセットは6-0。ナダルがベーグルを焼かれた。

  • フェデラー def. ナダル 6-3 6-0

このコートではフェデラーに分があるとは思っていたけど、ここまで圧倒するとは。ナダルのバックハンド攻めを、無理せずナダルのバックハンド側に返すことでつなぎつつ、そこから逆襲するパターンは、ほかのコートサーフェイスでも通用するのか。特にクレイコートではどうか。フェデラーがここまで復調してくると来年のGSが楽しみだ。

一方のナダルは、得意じゃないコートサーフェイスでフェデラーにうまく対応されたんで、スコアほど調子が悪いわけではないだろうけど、最近昔ほど自分のテニスをやっていれば誰相手でもそれなりに優位に戦えるという感じではなくなっている。やはり膝を怪我して以降、フィジカルが落ちてショットの威力が下がったのか。ナンバーワンだった時期のように、エースが取れるサーブやバックハンドクロスへのウィナーを取る強打は、もう使えないんだろうか。

これでフェデラーはラウンドロビン勝ち抜け決定。もう一人は明後日のナダル vs. ツォンガの勝者。でもこのコートのナダルだと、ツォンガ相手は厳しそうだなー。

明日のグループAは、マレーがやっぱりキャンセルしてしまったようで、代わりにティプサレビッチが出場。Tennis - ATP World Tour - Barclays ATP World Tour Finals 2011 Tuesday - Murray Withdraws From Competitionによると、フェレール戦でもマッサージを受けていた足の付け根の張りが理由。試合中に発生した怪我じゃなくて、準備段階ですでに痛み出していたらしい。なんかもう、マレーはでかい大会に向けての準備がへたくそだなー。でもまあ、ティプサレビッチが出てくるのはちょっと面白い。

Published At2011-11-23 07:03Updated At2011-11-23 07:03