テニス観戦記
2012全豪オープン プレビューEdit

といっても、最近その他でいろいろ忙しくて情報収集できていないんで、さらっと。

まずは男子シングルスのドロー

錦織、現在のランキングとしてはベストの第24シードをゲットした。初戦の相手はROBERT, Stephane、現在107位、キャリアハイ61位と、GS初戦としてはだいぶ楽な相手。錦織は直前のエキシビションでツォンガ、ロディックを倒すといういいコンディションで入っているので、ここは余裕があるはず。

その後ランキング上位が勝ち上がるとすると、EBDEN, Matthew、シモン、ツォンガ、マレー、ジョコビッチ、ナダルというドロー。さすがに3回戦くらいからは実績的には格上と戦うことになるけれども、ここ最近の錦織の調子を考えるとシモン、ツォンガあたりは格上の中ではだいぶ戦いやすい相手。マレーまでたどり着ければほぼベストの結果だろう。シモンに当たるよりも前に負けると今年の幸先がちょっと暗くなってくる。

そのほか日本人勢としては、ワイルドカードをもらって本戦から出場の伊藤竜馬は、初戦スタラーチェ、それを抜けてもラオニッチ、ジョコビッチと非常にきついドロー。だが、伊藤の場合はまずは初戦突破が目標だろうから、その先は勝ってから考えれば十分。今年は全GS出場と、ATPクラスへの定着を目指して欲しい。

ほかの日本人男子は残念ながら予選を突破できなかった。前哨戦では調子が良かったのにもったいない。ただし、添田は100位以内に入ってきたんで、全仏以降のGSはこの調子を維持できればストレートインできるだろうし、今年は100位以内定着を目指して欲しいところ。

続いてトップ4のドローを見てみる。

ジョコビッチは去年終盤フィジカルコンディション的に失速したのが不安だったんだけど、直前のエキシビションを見る限りは体調は完全に回復した模様。GSの2週間の長丁場は多少不安だけど、まあたぶん大丈夫でしょう。

ドロー的にも自分の山にはあまり伏兵的な存在は隠れていないように見える。ティプサレビッチ、フェレールが多少気持ち悪いけど、まずSF進出は固そう。

続いてナダルは、ドロー以前に去年中盤以降の燃え尽き症候群っぽさがちょっといやな感じ。自分自身の調子は悪くないのに、ジョコビッチに決勝で連敗したことと、生涯グランドスラムもナンバーワンも経験してしまったため、モチベーションのもっていきかたが難しくなってしまったんだろうなー。

で、現状のナダルはハードコートでは一昨年のような強さは陰を潜めてしまっているため、トップ4以外にも調子がいいハードコートが得意な選手には足下をすくわれかねない。

ナダル山の面子を見てみると、ベルディヒ、バグダティス、ナルバンディアン、ダビデンコ、ハースあたりが調子がいいとちょっと怖い感じ。ただまあ、その辺りの面子はナダルよりも安定感的な部分が弱いから、ナダルに当たる前に消えてしまう可能性はあるが。特に最近復活しつつあるバグダティスが一番怖いかな。ナダルはSFまで残るのも厳しそうだし、SF以降もトップ4対決は分が悪そうだ。

一度は4位まで落ちながらも、去年終盤に一気に巻き返して3位まで戻したフェデラーは、直前の前哨戦で背中の怪我で珍しく大会途中棄権したのがかなり不安。だが、逆に言うと滅多にやらない途中棄権までして、全豪に向けてのコンディションを整えてきているようにも見える。

ドロー自体は、QFで当たる可能性があるデルポトロが怖いくらいだけど、デルポトロも去年一気に順位を上げてきた弊害で、フィジカルコンディション的にはちょっと苦しくなっていたのが、現在どこまで回復しているだろう。フェデラーは比較的楽な勝ち上がりになりそうな気がする。

そしてマレー。去年はアジアシーズンで絶好調になり、最終戦直前で失速するという、相変わらずのピークの持って行き方が下手なところを見せてくれたけれども、全豪はスケジュール的にはそれほど変なことができない分、あまりおかしなコンディションで入ってくることはないだろう。前哨戦も調子が良かったし。

ただ、ドロー自体はあまり良くない感じ。初戦のハリソンとか、失うもののない伸び盛りの若手が、後のことを考えずに勝負をかけてきたりすると、まさかの取りこぼしとかやりかねない気がする。それ以降もグルビス、トロイキ、モンフィス、錦織、ツォンガと、序盤から中盤に当たるにはちょっと怖い相手がいろいろとそろっている。マレーはこけるならば早い段階でやらかしそう。逆に1、2回戦を突破できればそのままジョコビッチと当たるところまでいけるかな。

というわけで、今回の男子シングルスの優勝候補は、

といった感じです。よろしければあなたの予想も投票してみてください。Twitterアカウントがあれば投票できます。

続いて女子シングルス。といっても去年辺りから女子はほとんど見なくなってるんで、雰囲気だけ。

日本人女子は、ストレートインできている森田と伊達の二人だけの出場。予選突破者は出なかった。土居には期待していたんだけど予選1回戦で惜しい負け方をしてしまったし、去年はぐだぐだになっていた奈良は去年終盤からだいぶ復調してきたらしく、予選決勝まで残ったのに残念ながら負けてしまった。土居、奈良はいい加減WTAレベルに定着して欲しいんだけど。

森田の1回戦の相手は、CETKOVSKA, Petra。初戦からあまり楽な相手じゃないけれども、森田の場合は誰をひいてもあまり楽な相手とは言えないからなー。去年中盤くらいまでは結構いい感じでWTAレベルで戦えていた森田だけど、去年後半からまた格上に勝てない感じになってきているのが気になる。順当勝ち・順当負けではなく、格上にももっと勝てるようになるといいんだけど。ひとまず初戦突破を。

去年終盤から今年の頭にかけてのITF巡りで、またWTAレベルにランキングを戻してきた伊達の初戦の相手は、DANIILIDOU, Elen。伊達の場合は相手の強い弱いよりは、伊達の戦い方が通じる相手かどうかがでかいからなー。出だしからシードに当たらなかったんで良かったけど。できれば3回戦でスキアボーネと当たって、スピン対ライジングフラットのストローク対決を見せて欲しい。

女子の優勝争いはよくわからない。ウォズニアッキは順当に勝ち上がって行きつつも、クライシュテルス、リーナあたりと当たると厳しそうだなー。去年大ブレークをクビトバの方がGSでは可能性がありそう。QFで当たる可能性があるストーサーあたりまで安泰っぽい? 女子はランキング上位と実績上位のどちらも同じくらい可能性がありそうで、何とも予想しにくい。

ひとまず適当な予想は、

にしてみた。まあさっぱりわからないね。

もう初日のスケジュールは発表されていて、日本人勢は伊達、森田とコート8の1、2回戦に割り振られている。たぶんWOWOWは連続中継するんだろうな。

そのほか気になる組み合わせとしては、地元トミックがベルダスコと当たる。現時点ではまだベルダスコの方が上だろうけど、あの無理をしない省エネテニスでベルダスコに勝てるようだと、トミックの潜在能力の高さは末恐ろしい感じになる。

フィジカル的な問題が多発で去年はあまり試合数をこなせなかったクライシュテルスの初戦もある。すかっと勝ち上がって優勝候補に名乗りを上げられるか、それともやはりコンディション的な問題をまだ抱えている感じなのかの試金石。

ニーミネン vs. ナルバンディアンという地味に面白そうな組み合わせもあるけれども、きっとテレビ放送してくれないだろうなー。コールシュライバー vs. モナコとかもちょっと面白そう。

Published At2012-01-15 16:02Updated At2012-01-15 16:02