テニス観戦記
2012全豪オープン10日目Edit

  • Petra Kvitova(CZE)[2] def. Sara Errani(ITA) 6-4 6-4
  • Maria Sharapova(RUS)[4] def. Ekaterina Makarova(RUS) 6-2 6-3

女子シングルスは順当な結果で、若手実力派とベテラン実力派の組み合わせがそれぞれ残った。

  • Andy Murray(GBR)[4] def. Kei Nishikori(JPN)[24] 6-3 6-3 6-1
残念。だけどまあ順当だし、個人的には、思ったよりも現時点での錦織のテニスがマレーに通じていたことが、ちょっと嬉しかった。

特にストローク戦は、普段通りのバックハンドクロス中心のラリーで、マレー相手でも少しは優勢に展開できていたのに驚いた。マレー相手ならば、あのバックハンドクロスラリーで押し負けるのではないかと思っていたが、通常モードのラリーならば錦織のバックハンドはマレーにも引けを取らないのか。

あと、ストローク戦での左右の振り回しに関しても、マレーが相手だったらもっとカウンター気味の逆襲を食らって不利になるのではないかと思っていたのだが、そんなこともなく普通に錦織が主導権を握った状態での振り回しができていた。

まあ、マレーの守備力が高いんで、錦織が主導権を握った状態でいくら振り回しても、なかなかポイントに結びつけることは難しかったのだが。

また、振り回すときに錦織の方も、マレーのカウンターが出にくいように、あまりショートクロスになりすぎないように気をつけていたように思う。アプローチからネットに付くときも、あまり角度をつけずにパスのコースを限定するようにでたり。

サーブに関しても、思ったよりもボディサーブと緩急が効いていて、後半慣れてきたらマレーにリターンでがんがんと叩かれるのではないかと思っていたんだけど、リターンで主導権を握られるシーンはそれほどなかった。もちろんもっとサーブがいいにこしたことはないけれども、あのくらいのサーブだったら全然OKだ。

リターンに関しては、マレーのファーストがあまり良くなかったから、ファーストのリターンがどのくらい通じるのかはよくわからなかったけど、セカンドのリターンに関しては結構いやらしく叩いていけていたし、十分プレッシャーをかけられていたと思う。

一番大きな違いだったのは、ブレイクポイントやゲームポイントのような大事なポイントをしっかり取りきる力。マレー相手に10回もブレイクポイントを握ることができたのに、結局2回しかブレイクできなかった。

その辺りは大事なポイントでレベルを上げる余力と、ポイントを取るための切り札的な戦術の有無が大きいんだろう。この部分に関しては、元々錦織は得意な方だから、実戦経験を積み重ねながらトップ4にも通じるようなポイント奪取能力を身につけて欲しい。それができればトップ4相手にもっと戦える。

マレーのできもテンションも、試合を通してマックスからはほど遠かったけど、錦織のできの方も疲れもあったしベストという感じではなかったので、今回の内容は今後のマレー、ひいてはトップ4との戦いに際して十分参考になるだろう。

今シーズンこれでスタートダッシュはできたので、あとは怪我に気をつけながら、しっかり現在のランキングの有利を活かしていけば、全米後のトップ10入りも夢じゃないはず。すげー期待してる。

  • Novak Djokovic(SRB)[1] def. David Ferrer(ESP)[5] 6-4 7-6(4) 6-1
結果だけ見るとジョコビッチの楽勝に見えるけれども、実際にはかなり問題がある内容だった。

まずファーストセットは、ジョコビッチはそれほどペースを上げずに、それでもフェレールよりは優位な展開を維持しながら、1ブレイクしてセットを取った。しかし、フェレールの粘り強いラリーに長々とつきあわされ、6-4の割にはほぼ1時間かかるセットになった。

そしてセカンドセット。途中でバックハンドサイドに大きく走らされたディフェンシブなショットの際に、左足太ももを痛める。結局メディカルを呼ぶこともなかったので、怪我の程度を推し量るのは難しいのだが、セカンドセットのほとんどの時間、足の怪我の影響を感じさせるような動きが多く、ミスも格段と増えた。

セカンドセットの最後の方には怪我の影響を感じさせることは少なくなりタイブレークを取りきったが、時々完調とは思えない動きをみせることがあったので、実際のところは完全に問題がなかったわけではないだろう。

セカンドセット中盤からサードセットにかけては、足への負担を軽減するためか、ウィナー狙いのショットの割合が増え、しかも徐々にショットの内容が良くなっていったため、一気にサードセットを取りきって勝ったのだが、その辺りも本来の作戦だったのか、怪我の影響を受けての作戦だったのかが気になる。

ヒューイット戦中盤に失速したときも、突然疲れが出たみたいなことを言っていたらしいが、ジョコビッチに関してはここに来てフィジカル的な不安が大きく顔をのぞかせ始めた。フィジカルが完調じゃなければ、マレー相手に勝ちきることも難しいのではないだろうか。

11日目注目の試合。

  • Kim Clijsters(BEL)[11] vs. Victoria Azarenka(BLR)[3]
  • Maria Sharapova(RUS)[4] vs. Petra Kvitova(CZE)[2]
  • Roger Federer(SUI)[3] vs. Rafael Nadal(ESP)[2]
女子は、ここからクライシュテルスとクビトバが残って決勝を戦うという予想なんだけど、シャラポワは相変わらず頑張ってるねー。面白みがなくて好きなプレイスタイルではないけど、あのひたすら愚直に強打で攻撃を続けるメンタルの強さは買う。でも今ならクビトバの方が上かなー。

そして、フェデラー vs. ナダル。今ならフェデラーが7:3で有利とみているんだけど、ナダルにはフェデラーがいやがるプレイをする能力があるから、実際にやってみないとどうなるかはわからない。ナダルのできもいいし、つまらない試合にはならないだろう。楽しみ。

Published At2012-01-25 21:23Updated At2012-01-25 21:23