2012全豪オープン8日目

  • Kei Nishikori(JPN)[24] def. Jo-Wilfried Tsonga(FRA)[6] 2-6 6-2 6-1 3-6 6-3

勝っちゃったよ。すごいね。

錦織もツォンガも悪くない立ち上がりで、それでもツォンガがファーストセットをダブルブレイクで取っちゃったから、ちょっといやな感じがしたんだけど、セカンドセットから基本的に錦織が主導権を握ることが多い展開。

やっぱりバックハンドストローク力の差が大きいと、ラリーからの展開がだいぶ有利になるね。あと、ツォンガのかなりいいサーブにも錦織がきちんと反応して取れていたのが良かった。昔ナダルのアドサイドワイドスライスを全然返せなかった頃と比べると、ものすごくレシーブ力が上がっているんだなー。ツォンガのセンターフラットを、ぎりぎり手を伸ばした状態でしっかり深くまで押し返したりしていたし。

第4セットもそのままいけるかと思ったけれども、セット終盤にツォンガがスーパーツォンガに変身してしまい、確率の悪い攻撃を50%以上の確率で決めてきたせいで、2セットオールに追いつかれてしまう。

しかし、スーパーツォンガのだしどころが早すぎた。ファイナルセットで通常モードに戻ってしまったツォンガに対して、錦織は今まで通り安定した戦いで先にブレイク。こういう風に、ベースのストローク戦で押し勝っているときは、錦織特有のトリッキーなコース変更とかがよく決まる。

しかも1ブレイクした後は、相手のサーブゲームは戦わずして捨て、自分のサービスゲームキープに集中するという、まるでフェデラーのような横綱相撲で勝ちきった。実際のところ、そんなに自分のサービスゲームを信用して大丈夫かよ、とか思いながら見ていたんだけど、正直すまんかった。

さてこれで次は、

  • Andy Murray(GBR)[4] def. Mikhail Kukushkin(KAZ) 6-1 6-1 1-0 Ret.

と、相手のリタイアで楽に勝ち上がってきたマレーとQFを戦うことになる。まあ相手がリタイアしなかったとしても、マレーの疲労度はそれほど変わらなかっただろうけど。

錦織とマレーの現状での戦力差は圧倒的で、とても勝てる気がしない。錦織にできることはたいていマレーにもできるし、錦織にはとうていできないこともマレーはいろいろやれる。けれども、そういってあきらめてしまうのもいやなんで、現状の錦織がマレーに対抗できる戦術はないだろうかと、本気で考えてみることにする。

まず錦織のサーブゲームについて。ファーストは威力よりはコースと確率重視でいった方がいいだろう。錦織特有のバリエーションの多い球種・コース・速度のサーブを、徹底して使っていった方がいい。錦織のサーブ力で真っ当なサーブを打っていったら、マレーが慣れてきたらものすごいリターンをされてしまいそうだ。

あと、バックハンドにはねるサーブは厳禁。マレーにとってバックハンドにはねるサーブは大好物だ。逆にスライス系の跳ねない滑るサーブの方が叩かれなくていいかも。その場合はリターンで角度をつけにくいコースを中心に散らしていく。深くて跳ねない確率のいいファーストサーブが欲しいね。

リターンゲームに関しては、マレーのファーストサーブが入っているときはあきらめるしかない。できるだけ頑張って返すしかないけれども、いいサーブが入ってきているときには基本的にはどうしようもない。

ただ、セカンドサーブに関しては、最近だいぶ良くなってきてはいるけれども、やはりファーストサーブに比べれば格段に落ちるんで、セカンドサーブをミスしない範囲でできるだけ嫌らしく返して、ファーストサーブのプレッシャーに変えていきたい。速度や威力よりも深さ重視のリターンがいいかな。

ストローク戦に関しては、普通に打ち合っている分には錦織もマレーに見劣りはしないはず。ただし、普通に打ち合っていてもマレーが相手だと主導権を握ることは難しい。かといって、中途半端な仕掛けはマレーのカウンターの餌食になるんで、中途半端な仕掛けになりそうだったら、ひたすら深くに球を返すことに集中した方がよさそう。

じゃあ、どうやって攻撃したらいいのかというと、あまりにも選択肢が思いつかない。コースで振り回したり、浅い球で前に出したりしたところで、マレーはカウンターショットもネットプレイもドロップ返しもうまいから、どうやっても錦織が上回れる気がしない。バックハンドの差し合いも、スピンもスライスもマレーは錦織と同レベルかもっと上だろう。

あまり分がよくはないだろうが、試してみたい戦術としては、あまり角度をつけないダウンザミドル中心の深いストロークを続けておいて、できればマレーに先に仕掛けさせ、そのカウンターを狙っていく戦術。その際にはマレーのフォアハンドから仕掛けさせたい。

あるいは、あまり角度をつけないフォアハンドのクロスの打ち合いを続ける中で、強打だけでなく球種や球の深さをいろいろ変えていき、その中でマレーに先にフォアハンドで仕掛けさせる。

どちらにしろ、マレーの調子が良ければ、鬼のようなフォアハンドで叩かれ、何とか返してもネットプレイで終了って感じになってしまいそうだけど、マレーがフォアハンドからの仕掛けのミスを連発していらだってくれれば、マレーのメンタルの悪化に遭わせてプレーレベルが落ちてくれるはず。

そうなると連鎖して最初にサーブのできが悪くなるはずだから、次はセカンドサーブをより積極的に攻撃していく。するとファーストサーブの確率がさらに落ちていくはず。

といった感じで、マレーに先にフォアハンドでしかけさせ、何とかマレーのミスがかさむ展開に持って行き、マレーの精神状態を悪化させる。それによって、マレーのサーブ力を引き下げさせ、レベルが落ちてきたサーブを狙って、その穴を広げていく。

というのが思いつく範囲では一番確率が高そうかなー。うまくいくかどうかはマレーのでき次第だし、うまくいったところでそれほど勝ち目が大きい戦い方ではないけれども、現有戦力でマレー相手に戦うとなると、マレーのわずかな欠点をなんとか強調させて一点突破していくしかなさそうに思う。

もちろん錦織がスーパー錦織になって、ものすごい強打をコースにばしばし決めて、しかもミスをせず、マレーのディフェンス力を上回る攻撃を最後まで続けて勝ちきる、なんて可能性もゼロではないけれども、そんなのは戦術でもなんでもないしな。

  • Novak Djokovic(SRB)[1] def. Lleyton Hewitt(AUS) 6-1 6-3 4-6 6-3

昨日の予想通り、ヒューイットのガッツが圧勝街道を進んでいたジョコビッチに1セットダウンという土をつけさせた。が、ヒューイットのガッツもそこまでだった。やはり普通のストロークの打ち合いをしているだけで優位が取れるジョコビッチに勝つのは難しい。でも、まだまだヒューイットもやれるね、ということが確認できた試合だった。

  • David Ferrer(ESP)[5] def. Richard Gasquet(FRA)[17] 6-4 6-4 6-1

ティプサレビッチに圧勝していたし、この大会のガスケはよほどいいガスケなのかと思っていたのに、実際に見てみたらあまり良くないガスケだった。フェレールは良かったけど、でもフェレールはいつもあの程度はいいできだから、それと比べるとガスケはぱっとしなかった。

あまり意識していなかったけど、もしかしてガスケってフェレールみたいなタイプは苦手なのかな。バックハンドの自由度が武器のガスケに対して、フェレールはバックハンドのショートクロスで振り回されても苦にしないし、粘り強くそこそこいい球を返し続けてくるからなー。

と思ってHEAD to HEADを見てみたら、フェレールの5勝1敗という成績だった。やっぱりガスケはフェレールが苦手なのね。

  • Andrea Hlavackova(CZE)[7] /Lucie Hradecka(CZE)[7] def. Rika Fujiwara(JPN) /Ayumi Morita(JPN)6-3 3-6 6-2

藤原森田のダブルスは残念ながら2回戦敗退。途中変わった誤審騒動があって面白かった。草トーでもあるまいし、あんなレベルの誤審があるもんなんだね。

  • Ekaterina Makarova(RUS) def. Serena Williams(USA)[12]6-2 6-3
  • Maria Sharapova(RUS)[4] def. Sabine Lisicki(GER)[14] 3-6 6-2 6-3

セレナがこんなところでこんな相手に負けてしまった。体調がいまいちだったのか、それとも本当に力が落ちたのか。

かなり苦戦していたようだったけど、シャラポワがベスト8まで残った。全盛期と比べるとサーブ力がものすごく落ちてしまっているんで、ネームバリューの割にはぱっとしない選手になってしまっているけれども、それでもそこそこ勝ち残れるのは、今の女子テニス界の層の薄さか。

俺の予想ではクビトバ本命、(ズボナレワは負けちゃったんで)クライシュテルス対抗だったんだけど、クビトバも今大会はそれほど絶対的な強さをみせているわけではないし、シャラポワもそこに割っては入れるかもなー。ウォズニアッキは、QFでクライシュテルスと当たってしまうという不運。本当に女子のドローはぐちゃぐちゃだ。

9日目の注目カードは以下。

  • Victoria Azarenka(BLR)[3] vs. Agnieszka Radwanska(POL)[8]
  • Caroline Wozniacki(DEN)[1] vs. Kim Clijsters(BEL)[11]
  • Juan Martin Del Potro(ARG)[11] vs. Roger Federer(SUI)[3]
  • Tomas Berdych(CZE)[7] vs. Rafael Nadal(ESP)[2]
  • Roberta Vinci(ITA) /Daniele Bracciali(ITA) vs. Kimiko Date-Krumm(JPN) /Kei Nishikori(JPN)

さすがにここまでくるとシングルスは女子も男子も注目カードだけか。女子は対戦自体が注目というよりは、飛び抜けた実力の主がいないから、この中の誰が勝ち残るかわからないという意味で注目。

デルポトロとフェデラーがぶつかる。フェデラーは去年の後半からの好調を持続している状態。デルポトロは怪我空けで大きく落とした順位を徐々に戻しつつある最中。去年の年末一度は失速した感があったが、GSではしっかり調子を取り戻してきた模様。

最近の調子だけを見ればフェデラーの勝ちだが、デルポトロにはGSでフェデラー相手に爆発した実績があるし、あのモードに入ったデルポトロは誰にも止められないだろう。この対決の結果は、デルポトロのでき次第か。

悪役ベルディヒとナダルの対決。あれだけブーイングを浴びたベルディヒのメンタルはどうなんだろうなー。開き直って調子を維持していると面白い戦いになりそうなんだけど。ナダルは、さすがにこのクラスの攻撃力がある相手だとハードコートでは楽勝というわけにはいかないだろう。ただ、この大会のナダルはハードコートでも強いモードにしっかり調整できているみたいだから、ベルディヒが好調だったとしてもそれだから負けるということもないだろう。ベルディヒが好調で面白い試合になるといいな。

伊達と錦織のミックスダブルスに関しては、まああまり長引かずにすかっと終わって、どうせなら勝てるといいね。

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