テニス観戦記
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さて、ATP500バーゼル準決勝錦織 vs. ジョコビッチ。

錦織サーブゲームで思ったより戦えてるな。ただリターンゲームが思ったより苦しそうだ。ジョコビッチのサーブはやっぱり普通の強い選手以上なのか。それとも錦織が堅くなっているからなのかな。

ジョコビッチは、錦織と同じくらいバックハンドのコースの自由度が高くて、しかも威力があるなー。背が高くて高い打点を取りやすい分、よりフラットに打てるからなのか。錦織は、ジョコビッチのバックハンドダウンザラインを、フォアハンドのランニングショットで切り返そうとしては、毎回芯に当て損ねている感じ。

完全にジョコビッチのペースだが、最初の1ゲーム取っただけで終わるのはきつい。せめて2ゲームは取ってくれないと、手も足も出ずにぼろ負けした感じになっちゃうな。

何とかブレイクして、ファーストセットで錦織2ゲームは取れた。

ジョコビッチは最初からベンチに座るときに右ひじあたりを気にしていたけど、ファーストセット終了後にメディカルタイムアウトを取り、たぶん痛み止めを右肩から上腕部辺りに塗りこんでマッサージ。

ジョコビッチの肩は結構重傷のようだ。ファーストサーブのスピードが一気に150km/hくらいまで落ちた。しかもストロークでも今までほとんど出ていなかったイージーミスが増えた。それでも、手負いのジョコビッチと錦織でいい勝負か。これだけスペックが落ちた状態でもそれなりにゲームをキープできるのが、今年ほとんど負けていないジョコビッチの強さ。

ジョコビッチは今後のことを考えてリタイアすることを意識しているだろうけど、錦織がジョコビッチが弱っていることにつけ込めていないんで、この試合を諦めさせてくれない。でもジョコビッチ的には、ここで無理しても決勝のフェデラーに勝てる気がしないし、来週のパリにも悪影響が出ちゃうし、さらには最終戦にも影響が出ちゃうからなー。

ジョコビッチはだんだん痛みが引いてきたのか、一番ひどかった時に比べれば、ずいぶんましなサーブが打てるようになってきた。190km/hくらいでているから、普段より10km/h程度落ちたくらいか。クレーコートでのサービススピードくらい。ただ序盤はほとんどやらなかったようなストロークのイージーミスが減らせないな。

結局セカンドセットは、怪我しているなりに本気になったジョコビッチと互角に戦って、タイブレークで何とか取った。これでセットオール。ジョコビッチはセット終盤、かなり本気で怪我をかばうのを減らしてまで試合を取りに来ていたから、その攻撃をかわせたのはとても大きい。ミスは出ていたけど、球の威力は怪我をしてないときと大して変わらないレベルまで上げてきていた。

ファイナルセットが始まる前に、錦織もメディカルタイムアウト。右足首をテーピングで固めた。

本当に錦織はスロースターターだなー。ジョコビッチは怪我しているけれど、それでも並の選手よりは全然いい球を打ってるのに、それにセカンドセット後半からついていけるようになって、さらには自分からの攻撃もできるようになってる。もちろん相手の球に慣れてくるという部分もあるけれども、その部分を考えたとしても、やっぱりスロースターターだといわざるを得ない気がする。

ファイナルセットは早々に錦織が1ブレイク。そして、ジョコビッチのメンタルが切れたな。狙いのはっきりしない何となく返すストロークと、無理に攻撃しすぎるミスを繰り返して、あっという間に錦織が5ゲーム連取。

結局、ファイナルセットは圧倒的な錦織の展開で6-0で勝利。

  • 錦織 def. ジョコビッチ 2-6 7-6(4) 6-0
すげージョコビッチに勝っちゃったよ! これで決勝はたぶんフェデラーとやれるのか。もうパリなんかどうなってもいいから、本気でフェデラーと戦ってくれ。どんな状況になっても心が折れたりするなよ。

ベルディヒに勝った時点で書いた「ジョコビッチが支配したシーズンに、ジョコビッチに土をつけたわずか数人の一人として名を残すチャンス」が本当に実現しちゃったな。

Published At2011-11-06 01:34Updated At2011-11-06 01:34