テニス観戦記
2012全豪オープン12日目Edit

  • Novak Djokovic(SRB)[1] def. Andy Murray(GBR)[4] 6-3 3-6 6-7(4) 6-1 7-5

序盤はクオリティの高い長いラリーが続く、さすがジョコビッチとマレーと感心する試合内容だったのだが、ジョコビッチがセカンドセット早々に如実に体力切れとわかる動きになり、それに対するマレーも自分からのイージーミスが減らせず、一気に勝ちきれない展開になると、これは好試合なのか駄試合なのか、非常に判断に迷う内容になっていった。

そして、ジョコビッチがメンタルの力で体力切れの体を何とか動かしているうちに、マレーまでも体力切れの様相を見せ始め、双方体力切れの体を振り絞って戦う、好試合になっていった。ただ、これは俺が期待してたんとちゃう。

サードセットのタイブレークをマレーが取ったが、それでもマレーのメンタルを考えると優勢とは思えない状態。実際フォースセットは追い詰められて体力の限界を超え始めたジョコビッチがあっさりと取り返す。

そして、ファイナルセット。こうなってしまってはもうマレーの勝ちはないかと思ったのだが、ジョコビッチが1ブレイクアップで迎えたサービングフォーマッチを、予想外にマレーが奪い取って追いつく。この辺りはマレーのメンタルの成長と取っていいのか。

さらに、5-5のジョコビッチのサービスゲームで、ジョコビッチが15-40とほぼ試合を決定づけるような二つのブレイクポイントを握られる。ここを取っていればマレーが勝てたのだろう。ジョコビッチにも余裕がなかった。しかしジョコビッチはこの大ピンチをなんとかセーブしてキープする。

続く5-6からのマレーのサービスゲーム。ジョコビッチと同じく15-40という大ピンチを迎えるマレー。しかしマレーはこのピンチをしのぎきれず、ジョコビッチに攻めきられて、マレーは守りきれずに、ジョコビッチの勝利。ほぼ5時間のロングマッチを序盤から体力切れで実力を発揮しきれなかったジョコビッチが制した。

これがジョコビッチとマレーの差なんだろう。マレーもサーブ自体は追い詰められても入っていたんだけれども、ストローク戦で後手後手に回って負けてしまった。

ジョコビッチは最初からずっと自分から相手を振り回していき、リスクを取って戦い続けていたので、どんな状態でもしっかり前向きに戦えていた。マレーはどうしても相手が仕掛けてからのカウンターがメインになってしまうため、いざというときに相手の動きに合わせてしまうことが多い。それでも通常ならば十分戦えるけれども、本当に大事なポイントで自分からポイントを作っていけないのはきつい。

試合を通して見るとやはり大事なところでのサーブの入りや、セカンドサーブのクオリティはいまいちだったが、最後の最後ではファーストサーブがしっかり入っていたので、その部分はマレーも克服してきているように見えた。

が、やはりディフェンス&カウンター主体のストローク戦は、GS準決勝・決勝ではトップ3に対して厳しい。いつでも自分から攻撃した方がいいとまでは言わないが、もっと自分から攻撃する頻度を増やして、大事なポイントで自分からポイントをもぎ取ることになれておいた方がいいのでは。

一方勝ったジョコビッチだが、ヒューイット戦、フェレール戦、マレー戦と、5セットマッチの中盤から体力がきれて動きが悪くなっている。マレー戦に至っては試合時間と内容が濃かったせいもあって、中盤と言うよりは序盤から動きが悪くなっていた。

それでもマレーにまでは勝ちきれたが、こんなフィジカルでナダルにも勝ちきれるのだろうか。体力的に完調のジョコビッチならば、今回の調子がいいナダルに対してもかなり優位に戦えるはずだが、さすがにマレー戦の2セット目以降のような動きだったら、ナダルは見逃さずにあっさり勝ちきってしまうだろう。

特に日程的にはナダルよりもジョコビッチは不利なので、フィジカル的なマイナス面はかなり大きそうだ。今回は序盤ジョコビッチが押し勝つが、セカンドセットからサードセットで体力がきれたジョコビッチを、ナダルがしっかりと押し戻して逆転勝ちする展開になるのではないだろうか。

13日目の試合。

  • Victoria Azarenka(BLR)[3] vs. Maria Sharapova(RUS)[4]
女子シングルス決勝。アザレンカが勝って、ますます女子は混戦になると予想する。

Published At2012-01-28 16:51Updated At2012-01-28 16:51