日記
「It's a dilemma, but that's the sport!」Edit

F1にとって重要なのは、「一つ一つのレースの結果」なのかそれとも「年間を通して決まるチャンピオンシップの行方」なのか。

フェラーリは後者だと考え、その目的に対してのロジカルにベストなやり方を選択したわけだ。私もより重要なのは後者だと考えるので、今回のフェラーリの決断は正しいと思う。「この段階ではまだ(チームオーダーを出すには)早い」という観点から、今回のフェラーリの決断に反対している人は、「じゃあいつだったら早くないのか」を突き詰めて考えてみることをおすすめする。結局「チャンピオンシップを取ること」を至上目的とするならば、「シーズン第1戦からでもチームオーダーを出すべきだ」という結論になるはずだ。

ただし、F1にとってより重要なのは「一つ一つのレースの結果」であり、それが積み重ねられた結果としてチャンピオンシップが決まるだけのことだ、という考え方もあると思うし、その場合は今回のフェラーリの決断は批判されてしかるべきだとも思う。ただしこちらの立場を取るのならば、「シーズン終盤になってからのドライバーズチャンピオンシップ狙いのチームオーダーは是」とするのは矛盾であることを自覚して欲しい。それが是だというのならば、結局「いつからシーズン終盤が始まるのか」という水掛け論が始まってしまうので。

というのが、ゲームに勝利する条件のみを考えた場合の結論なのだが、実際には「ゲームに勝利すること」以外にもいろいろな条件がある。結局F1も商業活動の一部であるので、商業的な不利益はさけるべきだ。今回の件でフェラーリのイメージが悪くなったりすることは、フェラーリとしては基本的には避けたいと思うだろう。ただし、おそらくフェラーリ側としては、今回のようなことによる一時的なイメージダウンよりも、最終的にワールドチャンピオンをとることによるイメージアップの方が大きい、という計算はすでにしているのだろうけど。ただFIAが大技を繰り出して、今回のチームオーダーによる罰則によってフェラーリのポイント(一部)剥奪、なんてされちゃうとフェラーリの計算は根底から覆されちゃうんだけど。

というわけで、理屈ではフェラーリが正しいと思っていても、でもやっぱり個人的な感情としてはバリチェロに勝って欲しかったので、「観客が見ていて面白いF1」を実現するための妥当で実現性の高いルールが導入されるとうれしいな、とも思う。ただし、FIAにそういうことを考えさせると、ろくでもない結論が導き出される可能性が高いからなー。もしも実現可能ならば、シーズン前半(最初の8戦)は全面的にチームオーダー禁止(少しでも疑わしい動きがあったら失格)、シーズン後半(9戦目以降)はチームオーダー自由とかしてくれるといいんだけど、きれいに運用するのは難しそうだしなー。

Published At2002-05-15 00:00Updated At2002-05-15 00:00