日記
夫婦同姓・別姓についてEdit

よんひゃんさんのところのBBSでの議論を見ていていろいろ考えたので、書いてみる。あいにく私は該当の書籍は読んでいないし、これから読む気もあまり無いので、本論についてではなく夫婦同姓・別姓に関連する部分にのみ反応する。

二人の議論のすれ違いは、「機会の平等」というものが「法律で制定されればそれで成立している」とするか、それとも「それが世の中できちんと運用されるようになって初めて成り立つ」とするか、にポイントがあるんだろう。

私は後者だと思う。夫婦の姓の件に関していえば、「ほとんどの人が結婚する際にどちらの姓にするかを真剣に考えるようになり、なおかつそこで選択した結果を周囲の人々&社会が当たり前のように受け入れる」ようになって、初めて機会の平等というものが成立すると考える。現状では、慣習的に(深く考えずに)夫の姓を選択している場合が多いだろうし、妻の姓を選択した場合に周囲(特に年寄り系親戚)からとやかく言われることも珍しくなさそうだ。そのあたりを“時間”が解決するまでは「機会の平等」が成立しているとは思わない。

ところで書評を読むと、夫婦の姓に関しては「新姓」もしくは「別姓」が理想的であるという方向になっているようだが、技術者よりの立場としては運用上の手間が省けるように従来との互換性をもちつつ、新機能(平等性)を実装するというやり方が理想的だと思う。「新姓」も「別姓」も現在の夫婦どちらかの姓にするというやり方も、運用上の手間がかかるし過去互換性が低いので技術的にあまりいい方法とは思えない。

運用上の手間がかからず過去互換性が高い方法としては、従来の姓+名のほかにファミリーネームという枠をもう一つもてるようにする方法がいいように思う。ファミリーネームには夫婦どちらかの姓をそのまま使ってもいいし、新姓を用意してもいい。名前を名乗るときは「姓+名」(夫婦別姓風)でも、「ファミリーネーム+姓+名」(これが結婚している人のフルネームになる)でも、「ファミリーネーム+名」(夫婦新姓もしくはどちらかの姓に合わせた風)でもどれでもいいということにする。子供は「ファミリーネーム+名」になる。

要するに夫婦新姓と夫婦別姓と従来の制度を同時に成立できるようにしておいて、日常において名前を使う際には、自分の意志やシチュエーションによってそのどれを使うかを自由に決めてかまわない、というアプローチ。複数の名前表記を一つの実質的な名前に結びつける部分は、関連する書類にだけはフルネーム“も”表記するということで運用できるだろう。この方式だったら過去にさかのぼって運用(従来の制度で姓を決めた人は、ファミリーネームとして現在の姓を選択したことにすればいい)もできるし。

Published At2002-05-21 00:00Updated At2002-05-21 00:00