日記
個人Webサイトのジャンル分けとそれを表す言葉の変遷 (20:18)Edit

最近では(主に文章中心の)個人Webサイトのジャンルを表す言葉が増えたけれども、4、5年前には「テキストサイト」とか「個人ニュースサイト」などというジャンル名は存在しなかったように思う。個人が頻繁に(ほぼ毎日)更新するようなサイトのことは基本的に「Web日記」と呼んでいた。そして、更新頻度がそれほど多くない代わりに文章がより練られているサイトは「雑文サイト」と呼んだ(しかしその二つの差はあまり明確ではなかった)。

アメリカでは、日本でかつて「Web日記」と呼んでいたものをblogと呼んだのだろう。結局それは、そのような個人Webサイトの形式に対して、日本では既存の言葉の意味を拡張して当てはめたけれども、アメリカでは新しい言葉を造って当てはめた、というだけの違いにすぎない。新しい言葉を造って当てはめた方が「何か新しいもののように感じる度合いが大きい」という違いはあるが。

ただし日本ではWeb日記という言葉の意味が変わりつつある。かつてWeb日記と呼ばれたジャンルの中から、さらに「テキストサイト(ネタ系文章中心。かつての雑文サイトに近いものも含む)」、「個人ニュースサイト(時事ネタ中心羅列型)」などという枝ジャンルが発生したことによって、かつては広い意味で使われていたWeb日記という言葉が、その字義通りの意味(日常雑記)に縮小して捉えられる場合が多い。

しかし、そのような枝ジャンルが発生したところで、古くからのWeb日記書きは自らのスタイルを、新しく狭いジャンルを表す言葉に当てはめることはない。かつての広い意味を持つ「Web日記」という言葉で表現するだろう。そして、すでに枝ジャンルが確立した後にサイトを作った人は、枝ジャンルという枠組みの中で自らを表現するだろう。すでに人口は後者の方が多い。

古いWeb日記書きが「blogはWeb日記である」というとき、その「Web日記」はかつて広い意味を含んでいた言葉としての「Web日記」を差している。それは、現在の再び狭い意味に押し込められつつある「Web日記」とは異なる。しかしそのような意識はすでに多数派ではない。

ところで、最近はかつて「雑文サイト」と呼ばれていた類のサイトがやけに少なくなっている気がするのだが、気のせいだろうか? 私の視野が偏りすぎているだけか? あと枝ジャンルとしての「VNI(バーチャルネットアイドル)」や「コジャレ系」はまだちゃんと生き残っているのだろうか? 存在していることは知っているが、生き残っているかどうかの判断がつかない。まさかテキッ娘。が最終進化形なんじゃないだろうな。

Published At2003-03-11 00:00Updated At2003-03-11 00:00