日記
Re:03.08.16 from K.Moriyama's diary (13:50)Edit

>>なぜ結城さん携帯電話のことについて書かないのか、ということ。

携帯電話の位置情報は、契約したキャリアしかその情報を利用できない。RFIDに関しては、その情報がどの程度公開されるかは不明だが、おそらくある程度公開規格的になる(=不特定の人々がその情報を利用できる可能性がある)と思われる。この違いが大きい。

取得できる位置情報の正確さは、携帯電話の場合数十〜数百メートル程度の範囲までしか特定できないという差もあるけれども、位置情報の木理が粗いからといって問題にならないわけではないので、こちらは質的な違いはない。

>>ユビキタス系サービスを受けようと思ったら、機械に(人間じゃなくてもいい場合も多い)自分がいまどこにいるか提示しないとまず無理ですよ。

これには同意。まったく情報を提供しないでサービスを受けることは難しい。ただし、「自分がいまどこにいるか提示する」のに「RFIDを使って常時情報を提供し続ける」必要はないと思う。それともユビキタス系サービス(という表現も曖昧なんで、どういうサービスを想定しているのか違っていそうだけど)を受けるためには、人間がまったくアクションすることなく、周囲の機械に自動的に個人の識別情報を読みとらせることが絶対条件なのだろうか? まあその方が便利かもしれないが、サービスを受けたいと思った人が機械に対して情報を提示するアクションを行う(「識別カードを提示する」でもいいし、「情報発信装置をONにする」でもいい)でも十分だと思う。

>>Suicaは今のCLIEの一部機種でも読みとれるんだけど、ポケットの中のカードの履歴を読みとるためにCLIEを手にそーっと近づいている人がいると想定してみましょう。

Suicaのリーダーは誤認識(前後の人と混ざる)を避けるためにわざと感度を下げているはず(確か実験のときはもっと感度が良かったと聞いた気がする)だし、PDAであるCLIEは電力消費を抑える必要があるため、こちらも感度を高くしているとは思えない。つまり、現在のSuicaの読み取り可能距離が限界というわけではないだろう。

CLIEのリーダー部を改造して感度を高めている例とかはないんだろうか? たとえば50センチくらいまで感度を上げることが出来たならば、その脅威はかなりの物だ。確かRFIDには、1〜2メートル程度まで離れたところから読みとる用途を想定して開発されているものもあったはず。

久しぶりに森山さんがRFID関連の話を書いたけれども、なんか説得力がないなー。いろいろ関係各社を取材した結果として、推進派よりの見解に達したのならば、もうちょっと説得力のあることを書いて欲しい。否定派はどちらかというと想像で物を言っている(いわゆる杞憂の可能性が高い)のだから、何か具体的な情報を持って否定してもらえるのならば、それに越したことはないのだから。

Published At2003-08-16 00:00Updated At2003-08-16 00:00