日記
QuickMLをグループウェア化する (13:50)Edit

いつのまにやらQuickMLはソースコードが公開されていたんだね。QuickMLはMLにおけるWiki的なものとして使えそうだなーと思っていたんで、どうせならば途中まで作りかけていたMLを核にしたグループウェアもどきを、QuickMLと連携させて構築してみようかな。

Webベースのグループウェア(とかコラボレーションツール)は、それはそれで悪くないけれども、メールのお手軽さに比べるとどうもいまいち使い勝手が良くない。メールはいろいろ制約が大きいし、セキュリティ的な甘さが大きいけれども、現在のインフラ上では一番お手軽なインターフェースになりうる。

QuickMLはもともとオープンなMLを作成するためのシステムなんで、セキュリティとアーカイブ保存とかの機能がほとんどない。セキュリティについては、まあお手軽さとのトレードオフなんであきらめるとしても、アーカイブは保存しないとグループウェアとして使いづらい。

一瞬、QuickML自体に手を加えて、アーカイブ保存機能を追加しようかと思ったけれども、そこまで手を加えるくらいだったら、QuickML的なコードをはじめから自分で書いた方が話が早そうだよなー。と、ソースを追っていったところ、mail.rbのsend_mailをrecipients+['foo@bar.com']なんて感じにして、特定のアドレスにQuickMLあてのメールをすべて転送してしまえば、あとはそっちのアドレスで独自にログを記録できそう。

というわけで、QuickMLをインストールして(サーバーのRubyのライブラリディレクトリが、QuickMLのライブラリインストールディレクトリと違っていたので、そのあたりをln -sする必要があった)、mail.rbを1行書き換えた。で、すでに作ってあった転送用メールアドレスをフックして、添付ファイルを分離しつつDBに保存するスクリプト(Perl製)と連動させてみた。一応動いているっぽい。

QuickMLの生成するSubjectはきれいだから、それをキーにちゃんと分類も出来そうだな。こういうアプローチでMLベースのグループウェアが簡単に作れそうだ。社内用システムとしてしばらくいじってみよう。


1日使ってみた感触では、QuickMLの適当な名前を付けてメールを投げるだけでML=グループが作れるという仕組みはやはり便利。ほんのちょっとした集まりレベルのグループが簡単に作れる。メンバーに関してもCCでメールを投げるだけで追加できるから、あまり深く考えずにひとまずグループを作ってから、あとでメンバーを考えてもいいわけだし。

ただし、やっぱり仕事で使うにはこのセキュリティ的なルーズさはかなり問題。ちょっとでも機密情報が関わりそうな用途には使う気になれないもんな。一応独自サーバー上で(社内LANに完結した利用を中心に)動かしている分、本家QuickMLサービスを使うよりはましだけど、MLのアドレスと参加者一人のアドレスが分かれば、誰でもMLに参加できてしまうというのは怖ろしい。

ただ、メールってのは基本的にセキュアじゃないもの(ヘッダ情報が信用できない)だから、メールレベルでセキュリティ対策を取ったところで根本的な対策にはなり得ないんだよな。かといって、Webアプリで設定するとかやるとお手軽度が一気に下がるしなー。

QuickMLのいいところを残しつつ、企業がちょっとした機密情報程度ならば載せる気になれる程度のセキュアさを持たせることはできないだろうか。やっぱりWebアプリとの連携でセキュアさを動的に変更できるようにする、とかになっちゃうかなー。

Published At2003-08-17 00:00Updated At2003-08-17 00:00