日記
これでアクセスアップ間違いなし from Blog一日一言 (20:18)Edit

2003/10/26追記 コメントスパムなのかどうか

http://d.hatena.ne.jp/ishinao/20031025#p1から転載。

どうも批判が暴走気味な気がするし、Weekly Teinou 蜂 Woman(http://www009.upp.so-net.ne.jp/wtbw/)の現状への批判:http://www009.upp.so-net.ne.jp/wtbw/d/d/03-10.html#anchor10252003(あまりにも判官贔屓過ぎる気がするけど一利ある)なんかも目に入ったので、もうちょっと書いておこう。

id:nanacyさんがやっていることは、「スパマーの論理」(出来るようになっているんだからやってもいい系)を背景に非常に「スパム的」(宣伝目的無差別気味)な行動をしているけれども、客観的に見てそれをスパムと言い切れるものではない。彼のやっていることを明確に否定できるほどの根拠はないのでは。彼の行為をコメントスパムだと断じて批判している人たちは、その辺もうちょっと考えた方がいい気がする。

私は彼に「宣伝目的でくそレスつけるな(宣伝目的だと透けて見えない程度にもっと考えてコメントつけろ)」とは言いたいけれども、彼のやっていることを完全否定は出来ません。積極的にコメント機能を使おうという方向性自体は悪くないんだし。


って書いたら、今度はちょっと「肯定」よりに振れすぎた気がするんで、もうちょっと補足。

現在id:nanacyさんが行っている「キーワードに脊椎反射:http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/comment?date=20031020#c」レベルだったり、「斜め読みしてコメントをつけたけれども、実は的はずれで、しかもその後のフォローなし:http://d.hatena.ne.jp/genshi/comment?date=21001231#c」だったりするコメントを見ていると、そのような行動が多人数で行われた結果、アクセス数のある日記にそのようなコメントが10個も20個もつくようになる未来を想像してしまう(衆を頼むことによって、もっと低品質な相づちレベルのコメントも増えそうだ)。

そうなると、それはもはやシステム的な対策が必要なコメントスパムの類であると見なす人が増えてくるだろう(このような場合には、それがスパムだと判断されるかどうかは、それを迷惑だと思う人がどれだけ多いかによって決まってくると思う。要は、苦情が多く出るようならシステム側も対策を考えざるを得なくなる、ということ)。そうなったら現状においてはひとまず「コメント欄をオフにする」という対策をとらざるを得ないし、高機能CMS系を作ったり研究したりしている立場から言うと、そのような流れになるのはとても迷惑だ。早めに釘を刺しておこう。

といった感じの立場です。


2003/10/22

はてなダイアリーネタなんで、あっち(http://d.hatena.ne.jp/ishinao/20031022#p1)に書いたんだけど、一般論でもあるんでこっちにも転載しておこう。

ネタとしては面白いし、現状の規模だったら笑って許せるけれども、この方針を推し進めていった結果は、「たちの悪いコメントスパムの手法が一つ増えた(利用例として確立した)」ってことになりそうだな(昔から掲示板を使った宣伝行為は多かったけれども、高機能化したBBS/CMSの流行によって、その有効性は増す傾向にある)。

ただまあ、こうやってその裏にある意図をネタ化してもらえる分には、そのたちの悪さはずいぶん薄れる。純粋に利益を求めて(商売の宣伝とか)同様の行為をする方がたちが悪いし、個人的には、本人すらその意図をあまり意識せずに同様の行為(アクセスアップが期待できそうなところに、ろくに話も理解しないままに、的はずれなコメントをつける)を行っている場合の方がもっとたちが悪いと思う。

何にしろ、他者への迷惑(純粋なスパムコメントを削除したりする管理の手間もそうだけど、的はずれなコメントに対応するのは精神的に結構な労力が必要だ)を考えずにそういう行為を行う人が増えていくようならば、コメント欄を有効にしておくメリットとデメリットを考慮した上で、無効にする人が増えていくことでしょう。

ってのはこの件に限らず、世の中一般のコメントスパム/TrackBackスパムへの対策に通じる話。システム的に有効な対処方法を用意するというのは、スパムメール対策が現状程度でとどまっていることを考えると、かなり難しいことが想像できるしね。

2003/10/23追記

はてなの方に本人からのコメントがついたので、その続き(http://d.hatena.ne.jp/ishinao/20031023#p1)。

>>『スパムって言うほど無差別にカキコしてませんよ。僕はマジメにコメントしてますから、かなりの長文を書き込む事だってあります。それが結果的にアクセス増に繋がるってのが「ミソ」なんじゃないですかぁ!』 (10/23 08:50)

「無差別ではない」から「スパムではない」とは言い切れないでしょう。「スパム」の定義は明確ではありませんが、「一方的に」「迷惑な」「宣伝を」「大量に」「送りつける」なんて要素に複数当てはまれば当てはまるほど、それは「スパム」に近いものとなります(究極的には「受け取る人がスパムだと思ったものがスパムだ」という定義を主張する人もいます)。

また私は、現在id:nanacyさんがやっている(やろうとしている)こと=スパムであると言い切っているのではなく、「この方針を推し進めていった結果」がスパムになるであろうと言っています。これはすなわち方向性および度合いの問題です。

また「たちの悪い」という表現は、それが明確に「スパムである」と言い切れないが、しかし受け取る側から取ってみれば十分に「スパムたり得る場合がある」行為であることを意味しています。

誰もにとって明確なスパムであるならば、ある意味対策を取るのは難しくありません(削除する、など)。しかし、「スパムである」と言い切れないが、受け取る側にとってはスパムに等しいようなものは、非常に扱いが難しくなります。

その点を考えると、id:bmpさんの10/23 08:50のコメント(http://d.hatena.ne.jp/ishinao/comment?date=20031022#c)にある、

>>ただはてなの場合中央サーバー型なのでMTなんかよりはスパムは防げると思う

というのは、楽観的過ぎる気がします。客観的にスパムと判断しにくい(しかし受け取る側にとっては非常にスパム的である)行為については、いくら中央サーバー型のはてなダイアリーシステムでも、そう簡単に対応できないでしょう(割り込む口があっても、そこでの判断基準の設定が難しい)。

「何通(個)以上の迷惑メール(コメント)はスパムである」と定義できるわけでないし、「毎回文章を変えればそれはスパムではない」という訳でもない。きちんと元文章を読んでコメントをしたのか、(宣伝を目的に)斜め読みしていい加減な脊髄反射レスしたのかの区別を、客観的に判断することは難しい。

まあ何にしろ私の結論としては変わらず、id:nanacyさんの主張する手法の行き着く先は「たちの悪いコメントスパムの手法が一つ増えた(利用例として確立した)」ってことになりそうだし、しかもそれをやめさせる(論理的な説得、システム的な対策)のも難しそうだなー、というところです。

2003/10/24追記

また続きがあったので、はてなから転載(http://d.hatena.ne.jp/ishinao/20031024#p1)。

>>コメントを嫌う管理者もいるだろうが、今までに色んな日記にカキコして気付いたのは「はてなダイアリー」は多くの人に開かれた「公共物」であるという事だ。 >>そもそも「はてな」はただ「レンタル日記」でありますし、少なくとも管理者が独占して良い「私有物」では無いのです。 >>はてなダイアリーではデフォルトでリンク元を公開する設定になっているのも「はてな」が公共物であると言う事実を如実に指し示していると言えよう。 >>日記に書き込みされるのを嫌う管理者は「はてな」創設のポリシーに反しているのだ。 >>つまりさ、ど〜んどん書き込んじゃえば良いんだって。な?

まあもうこれ以上の労力をかける気にはなれないんで、どうでもいいんだけど、ここまでつき合ったんだから一応書いておこう。

見事なスパマーの論理ですね。

もっと狙ってやっているのかと思ったけれども、どっちかってーと天然さん系みたいだし、2chでくそスレ乱立していた人らしいし、そういう2ch論理(の中でも2ch内でも嫌われる類)がどこでも通じるべきだというポリシーの人なんでしょう。それはそれで、個人的には好きじゃないけど、絶対にダメというほどのことでもない。

blogツール(あるいは高機能型Web日記システム、あるいは個人用CMS)というものがメジャーになるにつれて、こういうユーザーも多数存在する中で、それなりの秩序を構成していく必要があるってことなのでしょうし、そういう方向に向けてのチャレンジは興味深いものです。

彼のような主張および行動がある程度広がっていった(として)結果、はてなダイアリー界隈がどのようになっていくのか、しばらく観察していくことにしましょう。

なんて、ひとまずはてなに関しては他人事に近い(こっちがメインじゃないし)んでのんびり構えていられるけれども、blogツール一般として考えると他人事じゃないんだよなー。コメントスパムは増えてきつつあるからな。

はてなの場合はユーザー認証があるんだから、プライベートモードの閲覧者制限みたいに、コメント投稿者制限(許可リスト、拒否リスト)なんかも用意すれば、それなりに対策出来そうだよな。

許可リストが存在する場合は、その許可リストに掲載されている人以外からのコメントは、管理者の審査を通らないと掲載されない(けれども、本人にはそのことはわからない)ようにする。拒否リストが存在する場合は、その拒否リストに掲載されている人からのコメントのみを、同様の処理にする、とか。

ただ、ユーザー認証をもたない開かれたシステムでは、そんなことできないしなー。HNSみたいにランダムクッキーID(RURIコード)を使って同様のことが出来なくもないけど(Ich、WikiLike、wikilogと自分で作ったシステムではだいたい実装している)、どう考えても一般ユーザーに管理しきれるものではないんだよなー。それでもやっぱりこの方向をもっと推し進めてみるか。

Published At2003-10-22 00:00Updated At2003-10-22 00:00