日記
やや現実的な提案 from ソフトウェア特許について考えるML (20:18)Edit

>>特許対策として、以下を提案します。 >>1. 特許を回避する為の環境整備 >> (1) 安易な特許が取られないように、技術を公知文書化すること >> (2) 危険な特許の存在を事前に察知する為の、特許検索データベースを構築すること >>2. 有効特許を取得して他社に対抗する方法の模索と実行

確かに、現在の状況においての具体的な解決策としては、こういう方向が正しいんだろうな。こういう方向を推し進めることによって、「そもそも論」(http://mailarc.namazu.org/htmlmail/software-patent/114みたいな、ソフトウェア特許の存在自体の是非を問う論)自体が力を失う(=ソフトウェア特許を前提とした活動が増えれば増えるほど、ソフトウェア特許の存在自体を否定することは難しくなる)可能性が気になるけれども、現時点で力を持っていないそもそも論の今後を憂えるよりは、現実的に意味がある行動を起こすことの方が、当面の利益は大きいだろう。

ただ、それでもやっぱり個人的には「そもそも論」がもうちょっと何とかなって欲しい。「アイディアを金に換えることが出来る」ということ自体は否定したくないけれども、「先にアイディアを考えついた(と公知した)人間が、ある程度長い期間そのアイディアの優先権を得ることができる」というのは基本的にやりすぎだと思う。

ソフトウェアみたいに、純粋なアイディアの世界(頭の中だけでも構築でき、実証の手間がさほどかからない)であり、なおかつ技術の進歩が(現時点においては)非常に早い世界においては、アイディアの先進性は非常に短いスパンでしか有効でない場合があり、しかもその独自性というものも保護されうるほど高いとは思いがたいものがある(という条件に当てはまるものが、全ソフトウェア特許のどのくらいの割合を占めているのかはわからないが)。

そこから得られるメリットは、わざわざ特許制度などによって保護するほどのものではなく、純粋に、先に思いついて適用した成果物(を販売するなど)から得られるメリット(利益)などで十分なのではないだろうか。

などという実効性のない理想論を考えるよりも、実効性のある案を実現するための手段を考えた方がいいんだろうな。ひとまず低コストで公知文書化するための仕組みでも考えてみようかな。

たとえば、必ずしも現時点では法的に公知文書であると認定される形式でなくても、法廷で争うことによって十分に公知文書としての意味を持つという判断が下されうるような仕組みを用意しておき、公知文書として扱いうるという判例を得ることによって、後付けでその仕組みに乗っ取った文書は公知文書としての意義を持つようにする、なんてアプローチはどうだろう。あるいは、一つ一つの文書を公知文書化するのではなく、デジタル署名などによって文書情報を圧縮し、デジタル署名の羅列を公知文書化することによって、複数の文書をまとめて公知文書化し、公知文書化にかかるコストを下げたり、とか。


ソフトウェア特許が、「特許制度がある(優先権がある)からこそ公開され、それによって(当事者以外の、その仕組みを自力では思いつけない人によって)活用された事例」は、どれだけあるのだろう。「その仕組みを自力では思いつけない」ってのがまたアバウトだけど。


その他関連リンクを追加。

Published At2003-10-24 00:00Updated At2003-10-24 00:00