日記
揺れる公団にもう1つ火種--ETCでクレジットカードの不正利用が多発 from Nikkei BP Biztech (20:18)Edit

>>このETCカードの不正使用が急増している。料金の未払いなどでクレジットカード会社が利用を停止しているカードや偽造カードを使って、通行料金を踏み倒す利用者が後を絶たない。ETCカードの不正使用率は通常のクレジットカードに比べて、10倍ほどに跳ね上がるという。これらの通行料金はクレジットカード会社が負担することになる。業界各社は、ETCカードの問題が公になれば不正を助長するため口をつぐむものの、頭を抱えている。

>>不正利用が多い原因は、ETCカードの不正防止システムに問題があるからだ。ETCでは飲食店など通常の店舗などと違い、決済端末を使ってオンラインで1枚ずつカードをチェックする方式を取っていない。不正カードのデータをあらかじめ蓄積しておき、車が通過するごとにデータと照合する仕組みだ。 >>ところが、このデータの蓄積容量が圧倒的に不足している。ETCのシステムは不正カードのデータが14万枚程度まで蓄積できるとされる。既にそれ以上の不正カードが出回っており、それらのカードを使えばその場では料金を支払ったふりをして、料金所を通過できてしまう。

これはまたあほらしい仕様バグですね。放っておくと、泥縄式にデータ容量を増やしたバージョンに置き換えたりしそうだけど、そんなあほらしい対策に無駄なコストをかけるなよ。

データ容量を100倍にしたところで、ロジカルな有効チェックをすり抜けるだけのカード番号ならばなんぼでも生成できるだろうし、蓄積データとのチェックでしか不正カードを確定できないならば、不正カードの初回利用時(まだデータベースにその番号が載っていない時)にはチェックできない。いつかは偽造カードを用意するコストとの均衡点に達するかもしれないけど、それはいわゆる消耗戦ってやつでしょう。

かといって、ETCのスピードに反応できるようなオンライン照合の仕組みを用意するのも、莫大なコストがかかりそうだ。しかもそのアプローチは多分、日本版ETCの仕組みを構築していく議論の段階で、ETCの導入メリットとつき合わせると(コスト的に)割に合わないという理由で却下されたんだろう(じゃなきゃはじめからそうしてるよね)から、今さらそっち方面に行くわけにもいかないだろう。

アメリカで実績のある、低価格一律料金による低コスト化(=偽造カードを使うメリットが少ない)に今さら向かうのは、関係者のプライドが許さないかな。「高価なETC車載器をすでに購入してしまった人との不公平感が云々」とかいうロジカルではない理由も挙げられそうだ。

ああそういえば、道路関係のネタとしては、

なんてのもあったなー。その広告費を損害を被っているクレジットカード屋さんたちにでも払ってあげれば?


ああ、泥縄式ではなく(きちんと費用対効果を計算した上で)データ容量を増やすというのは、まあ妥当な対策でしょうね。っつーか、「日本版ETCはダメでしたごめんなさい」と言う以外のまともな対策としては、それしか思いつかないや。今さらアメリカ式に変更するのもコストがかかりすぎるもんな。

ただ、

  • どのくらいデータ容量を増やす
  • それにどれくらいのコストがかかる
  • それによってどのくらい被害が減らせる

あたりをきちんと説得力のある数値として出さない限りは、泥縄式と見なされるでしょう。

Published At2003-10-24 00:00Updated At2003-10-24 00:00