日記
構造的弱者の構造的強さ (13:51)Edit

を読んだら、昔自分で書いた文章のことを思い出したのでそれを転載しておこう。

 構造的弱者というものが,逆に構造的な強さを持ってしまうことがある。構造的弱者を保護するための仕組みが,必要以上に行使されてしまう場合だ。

 構造的弱者というものを定義する際には,その定義における弱い立場の人間を標準とする。

 そうすると,その定義には当てはまるものの,本来メインターゲットとしていない人間までもが,構造的弱者を保護するための力を行使することができうる。

 構造的弱者であることを盾にとった強さの行使は,その力を成立させる源となる社会的心情を,逆なですることになるのではないか。

 そうなってくると,もはやその構造的弱者を守るための仕組みそのものの存在意義が疑われ始める。もしもその仕組みがなくなってしまうと,真の構造的弱者が困るのに。

 そのような事態を避けるためには,構造的弱者の定義を変更して本当に保護が必要な人間のみが対象になるようにするか,あるいは構造的弱者の範疇にはいりうるがその保護力は必要ない人間はその力を行使できないようにした方がいいだろう。

Published At2004-04-21 00:00Updated At2004-04-21 00:00