日記
(18:43)Edit

バブルの頃の“10代の若者”の“都会の生活”と“若さゆえのもろもろ”を、やけにかっこよく客観的に描く短編集。どの登場人物にも作者は感情移入していないように感じた。まるで“若さ”という幻想を描くおとぎ話のようだ。

結構いろんなテーマが潜んでいるんだけど、どれもそれほど掘り下げていないというか、テーマ的な部分もかっこよく描きすぎてしまって、正面から向き合っていない気がする。懊悩を懊悩として掘り下げていくのではなく、その存在を他人事のように描いて終わり、というか。まあそうやって提示する方法もありだろうけど。

こういう小説は、好きな人はすごく好きだろうなー。俺はあんまり好きじゃなかった。何もかもかっこよく処理しすぎだ。自分が田舎の高校生だったんで、こういうものにまるっきりリアリティを感じられないからかもしれない。

そういえば読み終わってから気がついたけど、この作者って最近亡くなった(原因不明の自殺)人だったっけ。

Published At2004-09-06 00:00Updated At2004-09-06 00:00