日記
sb話 - 著作権の話もしてみようか? : highbiscus -北国tv (09:27)Edit

以下、引用元を明示していない文章は、「sb話 - 著作権の話もしてみようか? : highbiscus -北国tv」からの引用となる。まずは、

終盤の裁判所判断のところを見ますと、「デッドコピーないしそれに準ずるようなもの」である必要性があります。

について。この部分は、きちんと関連する文章を判決文から引用すると、

これを要するに,原告ソフトの表示画面については,仮にこれを著作物と解することができるとしても,その創作的表現を直接感得することができるような他者の表示画面は,原告ソフトの表示画面の創作的要素のほとんどすべてを共通に有し,新たな要素も付加されていないようなものに限られる。すなわち,仮に原告ソフトの表示画面を著作物と解することができるとしても,その複製ないし翻案として著作権侵害を認め得る他者の表示画面は,いわゆるデッドコピーないしそれに準ずるようなものに限られるというべきである。

サイボウズ事件−画面表示の著作物性と侵害の有無(東京地裁判決) 3争点 <解説>3より

となる(強調は引用者による)。きちんと「デッドコピーないしそれに準ずるようなもの」である条件として「新たな要素も付加されていないようなものに限られる」と書かれているのだから、この判例を取り上げるならばこの部分を明記しておくべきだろう。それによって、

JUGEMにしかない機能もありますし、逆にsbにしかない機能もあります。

Re: sbのライセンス問題 その2より

というsbに関しては、「デッドコピーないしそれに準ずるようなもの」ではないと言えるだろう(参考:JUGEM管理画面sb管理画面)。また、

極力JUGEMユーザーが違和感なく使えるようにインターフェースをクローン設計で作ってるわけですから、当然ユーザーに触れる部分はとても似ています。

この部分に関しても、根拠が不明だ。作者の説明によれば、

JUGEMのテンプレートと互換性のあるウェブログツールです。

Re: sbのライセンス問題 その2より

と、JUGEMに似せてあるのはあくまでもテンプレートの互換性部分であるとし、さらに

逆に言えば、そこ(テンプレートのこと※筆者註)以外は別にまねようとは思っていません。

Re: sbのライセンス料問題 - パクリはなぜいけないのか?より

と、それ以外の点に関しては、JUGEMのクローンとして作ったことを明確に否定している。だから、

「合わせ技一本」というのが妥当に思います。

というのは、全然妥当ではない。

「インターフェースをクローン設計で作ってる」という言葉の根拠が、今回書かれた文章中には提示されていなかったが、もしも「俺にはインターフェースがクローンに見える」以上の根拠があるのならば、それを提示して欲しい。もちろん「クローン」というからには、「一般的なブログツールとして参考にした」以上の特別な類似性を示す必要がある。

また、結論では、

俺はJUGEMというソフトウェアに創作性はあると思います。

ここを「無い」としちゃうのは、Blogツール全ていっしょで全部いっしょのもので創造性は認められない、っつーのに等しいですよ。

などと「創造性を認めるかどうか」という論点に話がずれているが、それはリスペクトの類の話であって、法的にはどうでもいい。創造性を根拠にした著作権の話ならば、もちろんJUGEMもsbもその他ブログツールも、それぞれの著作権を持っているだろう。

ただ、その表面上に現れたアイディアや設計の類に関しては、他の人がそれを(デッドコピーではない程度に)参考にすることを禁止するような、独占的な権利は付随しないというだけだ。独占的な権利が欲しければ、それなりの手続きを取ってその権利を法的に認めてもらう(特許権、意匠権など)など、特別な主張する必要があるだろう。

Published At2005-07-07 00:00Updated At2005-07-07 00:00